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藤本タツキ ルックバック

こんにちは。今日は映画ではなく、漫画チェンソーマンの作者 藤本タツキ先生の読み切り漫画ルックバックを読んだのでそちらの感想を簡単に書こうかなって思います。

 

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ネタバレ含むのでまだ読んでない方は気を付けてください!!

 

 

 

 

 

 

さて、簡単なあらすじとしては学校新聞の四コマ漫画を描いている藤野と、不登校の京本が漫画を通じて絡み合っていくストーリーとなっています。

 

ちょっと感想の評価分かりやすく5段階で書く方がいいかなって思ったのでそうします。人様の作品を点数というのも失礼なのですが、その点はご了承ください。

ちなみに刻みます笑 それと良かった作品しかなかなか書かないので4以下はほとんどないかも。

 

ではさっそく、4.8点。

ストーリー、描写、共に文句なしです。

漫画もかなり好きなのですが泣きそうになったのワンピースのエースが死ぬところ以来な気がする。ただ良すぎて、京本側の気持ちの変化や内面をもう少し読みたかったなという気持ちになったので前向きな減点とさせていただきました。

 

さて、メインになるキャラクターは2人

藤野 四コマ漫画を学校新聞に載せている少女。

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京本 藤野の四コマ漫画のファンの不登校少女。

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この画像だけでも魅力的なキャラ感半端ない。

 

チェンソーマンでは悪魔や魔人という設定の心の動きがいまいち捉えずらいキャラが多かったのでこの作者の書くリアルな現代人キャラはどんな感じなのかと思ったのですが、読んでびっくり。

 

この人はこうゆうリアルな人間描いてる方が良いんじゃないかと思うほど人間味溢れたキャラの仕上がりになっています。表情、言動、性格だったり。なにげないキャラのセリフからもそういう細かなリアルさがでてます、藤野の絵が京本の背景と比べられた時の男の子のyoutubeのコメント欄ばりのセリフあたり。

 

 

さて、メインの二人

 

藤野の負けん気の強い、お調子者感。嫌味のような事も言うがどこか憎めないそんな感じ。

 

京本に関して言えば上の画像を見ると分かるが既に可愛い。笑ってしまうほど挙動不審でおっちょこちょいな所、自分の好きなものを真っすぐ見つめてる純粋さとか。藤野先生サインくださいと言って背中にサイン頼むところは結構好きなシーンです。

 

こんな2人が絡んでいく物語となっていますが、

 

ストーリーの核となる部分が 藤野が漫画を描く理由。

そこに焦点があてられていて、誰しもの心のエネルギーとなる部分に見事にクリティカルヒットしてると思います。なにかを始めるきっかけだったり、自分の好きなことを続けていくモチベーションとか。

 

藤野をちゃんと追っていくと分かりやすく描かれている。

 

最初は友達、先生に褒めてもらえて描いていた、だが京本の驚異的な背景画、同じクラスメイトや周りのなにげない一言に描くのをやめてしまう。

まだこの段階では漫画を描くことへの、芯がなかった状態ですね。

 

次に小学校の卒業式に京本と初めて出会う。

ここで藤野は今までただの話のネタとしてしか自分の漫画をみていた人は違う、自分の漫画を本気で観てくれるファンに出会い、サインを頼まれ、その京本の純粋な言葉や表情に心を動かされます。

その負けん気の強さから京本に適当な事を言ってごまかしますが、また漫画を描き始める。

この辺結構好きですね。京本の家からの帰りの藤野の喜び様は笑っちゃうくらいオーバーでしたけど、よく描かれてる。あんな感じですよね喜び方は人それぞれですが、人に褒められて認めてもらえた時のあの感じ。

始まりは至って純粋で単純なものなんですね。

 

 

ここからが二人で藤野キョウとして、京本に背景を担当してもらったり、色んな所に一緒に出掛けたりと順調なストーリーが進んで行きます。

この時点では藤野はちゃんと自覚してないんですよね。自分も京本に影響を与えていたこと、自分が京本から漫画を描くエネルギーをもらっていたことに。

段々と環境や京本が変わり始め、別々の道にいく決意をする。

そしてあのニュースのシーンに繋がっていきます。

 

数回読んだのですが、この作者の絵の好きな所はチェンソーマンの扉のシーンだったり藤野が1人机に向かってるシーンって、勿論1人だったりする描写なんで当たり前なんですけど、少しひんやりする様な孤独を感じる部屋の絵の描き方するんですよね。なにか作者の根っこみたいなものが垣間見える気がします。とても特徴的で好きですねー。

 

 

話が進み、京本が殺害され、そこから妄想または、ifの世界線の話が絡みだすのですが、ここが藤野が1人のプロの漫画家になる瞬間へ繋がっていく大事なとこですね。

 

自分のしてきた事が京本に悪い形で返って来たと思い込む藤野。

 

でもそうじゃない側面もあって、あの時した何気ない会話が京本自身の動機に繋がりエネルギーになったこと、引きこもりだった京本が藤野に言われた訳でもなく自分で大学へ行き、絵が上手くなりたいと言えた事。

 

この辺の心の動きも人柄がでていてすごくリアル。

藤野がきっかけではあるが京本が選んだことなのに自分のせいだと思い込むところは言い方は悪いのですが、若干お調子者ならではの思い上がりがでていて良い。まあでも仕事仲間であり、親友が亡くなってるから混乱してるし仕方ないのだが。

 

本当に絶望するシーンというか誰かが亡くなるという構成の作り方がえぐいんですよねチェンソーマンの時もそうだが、大事にしていたキャラやここまで温めたキャラ殺すかみたいな進撃チックな所あります。こんな純粋で可愛い子殺すのかと。まじで京本死んで悲しかった。

 

藤野はまた自分の漫画への想いを見失います。

ここで今まで藤野のエネルギーになってたのは京本だったってのも明確にでてくる。

 

最初は反骨心に始まり、だんだんと一緒にいる時間も増え絡んでいくうちにその時間や思い出がそれこそ漫画の中の背景のような感じでなくてはならない存在になっていて。

京本がいて描き始めた物だったからそれが無くなってしまったから見失ってしまったという事ですよね。

 

 

そして、

ここから藤野が起き上がるトリガーとなる物語の書き方は天才的な発想でしたね。

京本の部屋の前で、卒業式に描いた四コマ漫画で繋がり、そこから京本が書いた四コマが現在へ帰ってくるみたいな。ちょっと分かりづらいという人もいるかと思いますが僕は漫画なのでと割り切ればまあ問題ないしアイディアとして面白いと思ったので全然ありです。

ここに漫画の世界ならではの良さが出てる気もしますしね。

 

なにより作中で背景しか描いてなかった京本がここで初めて自分の四コマ漫画を描いたわけですよ。

それを手にして見た藤野は何かを感じ机に向かうというシーンで終わりますが、

シンプルで良かったな。

 

あの四コマを観てそこから反転するんですよね最初の状況と。

最後の机に京本の四コマを張り付けての所でそれが分かりますよね。

この辺もすごく上手い。

作り手と読み手の違い、そこできっと藤野が自分の与えていたもの、自分が読み手から得ていたエネルギーを自覚した瞬間だったのかなって。

愚痴みたいなのを挟みつつ、

これがプロの漫画家なんだ!

って藤野を通して作者が言ってるような感じしましたね

 

ホントに今作お勧めです。はんてん着た京本なんてめちゃくちゃ可愛いし、ちょっとした考察要素もあるみたいで、自分が気になったところは

シャークキングの単行本の11と1が複数巻あるところでまた知ってる人や考察勢いれば教えてほしいです笑

 

読み切りで140p弱あるとはいえホントに一瞬で読み終わりました、それぐらい面白かったです。

気になった方は是非読んで観てください。最後に

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僕の好きなシーンを貼っておきます

 

それではまた!